そして秋。
生まれたときから天然の黄金のウェービーヘアに、紅葉した枯れ葉を絡ませて、夢中で木の実を拾っては見せに来る。
そのたんびにアレキサンドラは一緒になって喜んだり、枯葉を集めては寝転がったりして遊んだ。自分が経験する前に取り上げられてしまった人形のように、いつか、別れが来ても、幸せな記憶だけを残してやりたい。
父親のサフィール王はそれに反対しなかった。それどころか地獄で入手したオーブを玩具をして、息子に与え、
「幼い頃から本物に触れさせることは必要だ」
と、のたまう。
アレキサンドラといえば、その価値を知っているので幼児が手元から落とすたんびにひやひやしている。



