「いや、まさかあんなかたちで巡り会うなんて、奇跡はあるものですね」
聞けばあったのはこれが二度目という。クリスチーネは呆れたが、託宣は悪くなかった。
思いの外頭のいい子供が二人を取り結ぶであろう、とでた。彼女は今度こそ女の両手を握りしめ、
『あなたは幸運なひと。その幸せをきっと手放す事のないように』
祈りを込めた。女性はひときわ美しく頷き、お腹をなでた。
『そう言えば前のあの人はどうなすったの?』
「軽く転んで流れちゃったからって嘘ついてバイバイしちゃった。修道院へ行くって言っといたからもう会わなくて良いわ」
『そんな急に……街で見かけて声を掛けられたらどうするの』
「にげる。それか人違いだって言い張る」
『前言撤回。あなたにはだれもかなわない……無敵すぎる』



