~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


 このひとなら、と、クリスチーネは希望を持った。

 しかし、事実は事実。言ってどうにかなるものじゃないが。


『彼女が身ごもっているのはあなたの子じゃないのよ』


「うん、でも俺愛に飢えてるから、そんなのどうでもよし!」


『あなたがそう言うのなら良いのだけど。てきとうねー』


 正直困ったひと、と彼女は思った。

 そして半年を過ぎた頃、今度は別の男を連れてまたあの女が訪れた。


『お断りいたします』


 クリスチーネは告げた。

 依頼書には、あきらめていた理想の男性が振り向いてくれたので、そちらと結婚したい旨、書いてあった。