感極まって男性は相手の彼女を抱きしめた。そして切羽詰まったように、男性が言った。


「彼女が自分を裏切らないようにするにはどうすればいいのですか?」


『それは二人、睦み合い、お互いの愛の中で見つけなさい』


 マグヌスは思わず小声で突っ込んでしまった。


『当たっても当たらなくても、どうでも良いことだな……』


『また、兄貴の「どうでもいい」が始まった。恋人達には重要なんだぞ。彼女の一人でもいないのか』


 ふ、と。マグヌスは笑ったようだった。
 
 クリスチーネが恋人達を見送って、ついでにマグヌスの姿を見つけた。

 すると、クリスチーネは羽虫ほどの大きさになって、マグヌスの胸に飛び込んできた。