なんと、彼の背にしていた扉が、隠された入り口となっていた。 「えっと右の突き当たりも扉があるけれど、正面にも。これは、どっちだと思う?」 『どっちってこたねーだろ。なにか証があるんだろ』 「マーマー」 と、雄牛のマミィは慕わしげに鳴いてくる。 「こちらへゆけというの? それとも別の道があるから、この扉を隠していたの?」 「モーモー」 「それとも、こっち?」 彼女はあえて真ん中の扉の前に立ってみた。 「ブルルイ! ボシュー、ボシュー」