「感謝する、と。彼らはあなたに感謝すると申しているのですよ。そんなもの、ここでは役になど立たないというのに」


 うろん気にマグヌムはスカした態度でものを言う。

 王子はまっすぐ彼を見た。マグヌムはうっとおしそうに、彼を追い払うかのごとく、舌を見せる。


「俺は化け物だ」


「私もだ」


 王子は大きな爪と、衣服を破る剛毛のオオカミのカギ爪を見せた。

 そして王子はたたみかけるように詰めを宣言した。


「マグヌム、地獄の王者の許可はもらった。後はおまえが決めるんだ」