『御乗りの御客様、只今到着いたしました。御忘れ物がないよう、ご注意をして御降り下さい。』
と、少しなまった声のアナウンスが聞こえた。
あたしは、彼の手を振り払うと荷物をすぐに持ち船から降りようとした。
「あ、オレ高1の上沢海ー!!」
彼は、あたしに大きく手を振りながら叫んできた。
あたしもそれに応えるようにいつも以上の声で大きく名前を言った。
「あたしは、七海皐月ー。じゃあね、天パ君。」
あたしは、無表情ながらも挨拶をしたが、普段にしてみれば有り得ないことだ。
あたしがこれから住むところは親戚の佐々木さんの家。

