だけど、行かないと…


もしかしたら、良馬さんがこっちにくるかもしれない。


そんなことになったら嫌だ。


あの人はいつまでも追いかけまわしてくるしつこい人だ。


だから、行かなきゃいけないのは分かってるんだけど…


だけど、海になんかあったら…


それと、あたしももしかしたら大変な目に会うかもしれない…


「不安なら、葵も棗も連れてく。」

「え??」

「葵も東京へ行くっつってたし。日にちをズラしてくれればいけんだろ。」


海はそうやって言ったあとあたしを体から離した。