「寂しいよ。・・・あのお泊まり会の時が凄く幸せだった。」


皐月ちゃんはあたしの前では海のことに関して凄く素直になる。


海や棗やあたしは皐月ちゃんを幸せにできているんだね。



例え、あの過酷な過去があったとしても。



正直、9割は海のおかげだと思うけど。



けど、幸せになってくれてとてもうれしいよ。


あたしは、皐月ちゃんの背中に手を回す。


そして、頭を優しく心をこめて撫でたのだ。



「葵、ありがとう。」


皐月ちゃんはそういってあたしから離れる。