莢は目覚めた。
とても永い時間を眠っていたような気がする、と彼女は思う。
ベッドの縁にかけてあるカレンダーを見て、莢は目を見開いた。目をこすり、もう一度食い入るように見つめる。
莢が、この世を見限ってから、3日しか経っていない。
おかしいという気持ちが心の中の半分以上を占めているものの、実は夢だったのかもしれないという気持ちも少なからず、ある。
しかし、目尻にあるこの細い、濡れたような筋は何なのだろうか。
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