「何だって?」 泣き笑いになりそうな私に向かってバーテンが話しかけてくる。 「恵司ってこんなことする人でしたっけ? いやーびっくりだな、飛行機のチケット入れとくから会いに来いって」 「おー、やるねえ。でもこういうことできる人、同性から見てもかっこいいと思うけど」 「ですね、私もちょっと見直しました」 少し声が震えたことと目が潤んでたことは見なかったふりをしてくれただろうか。 「よかったよかった。お祝いに僕から一杯奢るよ。乾杯しよ」 彼のことを思って飲むお酒は、少し甘くて苦い味がした。