ベッドを抜け出そうとした瞬間手首に熱い何かを感じた。 それと同時に男の声。 「また一方的」 後ろを振り向くとばっちり彼と目があった。 「え、起きてたの…?」 返事の前に手を引っ張られ再び彼の腕の中へと連れ戻された。 「ごめん、寝たふりしてたら若菜の本音が聞けるかと思って」 彼の方が一枚上手だったようだ。 付き合ってる時に私のこと全然分かってくれないと嘆いていたのを後悔するくらい、彼は私のことを静かにちゃんと見ててくれたんだろうか。