深掘りしたら無理やり醒ました熱が戻ってしまいそうなことには気づいていたけど、まっすぐ私を見つめる彼の視線をとらえてしまったら口を開かずにはいられなかった。


「それってどういうこと…?」


彼が一口ビールを飲み込んでから一息ついて言葉を始めた。


「あの時お互いギクシャクしてたのには気づいてたのに、俺ばっかりまともに向き合おうとしなかったこと、ほんとにごめんなさい。
それと、若菜と自分を比べてしまってたことも謝る。
社会人1年目で余裕がなかったのが大きかったんだけど、人間関係も仕事に関しても余裕そうな若菜を見て焦ってて。
ほんとに子供だったなって…若菜のことが嫌いになったわけでもないのに、一緒にいると自分のこと小さいと思われそうで自然と会うことを避けてたんだ」


そう言われてもイマイチぴんとこなかった。


当時相手のことを見て焦ってたのは私だけだと思っていたから。