「完璧主義なのは正解かもだけど、実際完璧でいれてないし。可愛げない私にそこまで向き合ってくれる恵司も物好きだなって付き合ってた当時から思ってたけど」
口を開けば出てくるのは可愛くない言葉ばかり。
「そうやって自虐的になるの、相変わらずだな。俺がいいって言ったことは素直に受け入れればいいのに。
若菜は自分のこと可愛くないっていうけど、そんな風に冷静で、自分に対してストイックな人ってなかなかいないんだなって社会人になってから改めて思ったけどな。
無理は禁物だよ、いつか若菜の限界が来ちゃうんじゃないかって心配してるんだから」
私の言葉とは裏腹に彼の口から出てくるのは優しい台詞。
「恵司は昔から私に優しすぎるよ。そんなこと言われたら私が保てなくなるから困るって、付き合ってた時も思ってた」
「俺がそういうこと言わないと、若菜が壊れちゃいそうだったんだもん。
その努力、一番見てるよって素直に伝えたくなったんだよね」
…本当にこの人といると調子が狂う。

