ナガレボシ



午後7時半


授業が始まっても
さっきの黒猫の事が
なぜか頭から離れなか
った。

"あの子ホントに
死んでたのかな・・・"

「1582年!!
この年は何があった?
いちごパンツ・・・?
刀狩りだな。ははっ(笑)」

小さい教室が
どッとわく。

下品で馬鹿だけど
わかりやすい先生の授業。

でもその日は耳に入らなかった。


「・・・さ-ん!橘さ-ん!」

いつの間にか当てられて
いた。

「ッあ、はい。」

「刀狩りをしたのは?」

「トヨトミヒデヨシ?」

「は-いOK。」

心配した隣の亜紀枝が
声をかけてくれた。

「どうしたの大丈夫?
魅沙なんかおかしいよ?」

あたしそんなに
ボ-ッとしてたのか。

「ううん!!全然大丈夫。
ちょっと眠いかな。」

「寝不足?魅沙さぁ
エンジンかけすぎて空回りしちゃダメだよ?
清凛女子は余裕でしょ?」

「清凛はねぇ・・・
滑り止めだから・・・」

「ならいいじゃん
そんなしゃかりきなんなくっても~」

「本命があるからね。
本命が・・・。あたし夏の模試判定いッちばん最低だったから・・・あはは(笑)」

「本命・・・ッて
公立はどこ受けんの?」

「府立京明...だけど..」


亜紀枝はあきれたように
言った。


「魅沙あんた
本気で言ってんの!?!?」


そんなに驚かないでよ。
本気だっつ-の。


「う、ぅん・・・。
まぁ・・・ね・・(´∀`;)」


「まぁ・・ね・・ッて、
あそこ毎年
倍率6超えだよ!?!?」


わかってるッて。


「うちの中学から行った
人今までで
2人だけなんだよ!?」


だから・・・
承知しておりますって・・


「ま、まぁ、ダメ元で☆」


顔が引きつった。


亜紀枝はそれから
何も話さなかった。


あたし、ふざけてなんか
ないよ???
本気だよ???

素直に応援してよ。