(そんなへなちょこ王子、叱咤しておやりなさい!) 『王子、わたくしとて信じているわけではないのです。全てが必ず上手くいくなどと。でも希望は失わない。あなたがここにおわすから』 王子はうつむく。 『これから先、どんな苦難にあわれようとも、あなたはそれらに負けては居られないはずです。王が、王妃が守ってきたのは』 涙、あふれ、言葉がくぐもった。 『そんなあなたではない』 (そうよ! アレキサンドラ、それが正しい!) 王子は寂しげに笑った。