「マグヌム、奴らはおまえをどうにかしたいらしい。どうやって報いる?」
それまで地獄の玉座の傍らにいたマグヌスの弟が言う。
「は。失礼ながら自分は語る言葉を持ちません」
「地上へ、戻れるとしてもか」
「私の居場所はこの地獄にしかございません。どうか王者の傍らに」
「愚かだがかわいくもある。この町、この城で我と来て遊ぶか」
「よろこんで」
ふう、と硫黄臭をさせながら地獄の王者が息を吐く。獰悪(どうあく)さではマグヌスの弟にも匹敵する不気味さだった。
「今度はいつまで遊べるかな」
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