~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



 立ちふさがろうとする森の木々に光はひときわ大きく輝いて、


「大丈夫。この方達は悪さはしない。森の木々の小枝一本奪いはしない。道を空けて」


 光りながら彼女は言った。


「ああして森は、ここに棲む生き物たちを守っているの」


 そうか、と納得する二人。


「うむ、それにあんなに美しい森が危険なだけではないに決まってる」


 全部が全部の枝葉が真白に輝いている。侵してはならない。

 だれでも思うだろう。


『気をつけて、きをつけて。森は宝を隠してる』


「うん、それは話に聞いている。だが小枝一本奪わないと言っているのに宝を奪うなどできない」