~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



『俺たち一族は、一番初めに頭をなぜることを許した者に従わねばならないんだ。主として迎えてだ』


「でも、私たちも先に進まねばならないし』


 ムカッときたように彼女は食い下がった。


『何でも試しだ、言ってみろ』


「何で君にそんなまねしなくちゃならないんだい? さあ、もうおうちへおかえり。もう、ウシガエルになんか、捕まるなよ」


『そっ、それが最初の命令か?』


「命令なんかじゃない。でも私たちは危険な任務、いや義務があるといっていい。君にかまう暇はないんだ、すまない」