~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



「どうする?」


 その場でどうするかを尋ねられても困る。

 アレキサンドラはうんうんと頷いて、


「確かにお助け申しましたよ。黄泉の姫君」


 王子はひととも思えぬ仕草でぱっぱ、と振り回して彼女に粘つくしずくを振り落とす。


「男がそんなに簡単に泣くものではないぞ」


 というと、


『おっ、男じゃあない。俺は、俺は女だっ』
 
 元気に反論してきたのでもう大丈夫、と王子は彼女の頭をなでてやった。

 ビックーン! と彼女は硬直した。