それよりも、と、王子は付け加える。


「こいつはだれにも秘密にしておかなきゃならない。城下でも宮中でも」


 リッキーは深く息を吸い込んで、思い切ってくだけた調子で言ってみた。


「ね、王子? いっそのこと、この秘密を知る者を片っ端から狩っちゃわない?」


 王子は頷いたが承認の意味ではなかった。


「君も毒されてきたな。そうだ、それが呪の効果なんだ。私はまだ理性が働いているから考えないようにしているが」


 が、と言ったのである。


「リック、いやリッキーに言われると心がぐらつく」


 リッキーは息を一気に吐いてしまうと反省するように言った。