王子はもう一枚金貨を出した。

 そして化け物の薄気味の悪いダンスを披露される羽目になった。


「一、三。二、三。一、三。二、三」


 と特別意味のなさそうなリズムで手を打っては笑い、


「おつりよお、主の城までは行ってあげる。でも暗号を間違えないでねえ。二度と彼には会えなくなるからあ」


 一、三。二、三……という先ほどのダンスには謎が詰まっているらしい。

 結局マグヌムのことは直接、城の主に尋ねなければならないようだった。


「それにしても、地上で騒がれる各地の異常より、こちらの方がものすごく悲惨に見えますが」