と、ハーヴティーをこぼしたテーブルを拭くべく、たたんだ布巾を取り出した。


「君の大層できあがった物言い、さては子供の頃は相当だったろう」


「野猿のようでしたよ」


 それがなにか? と、なにも気にしない言い方。


「君の友人は大変だったろうな……」


「なにが仰りたいのでしょうか」


「いや……想像してみたのだ。いったいどんな子女が木に登って野を駆けずり回るのか、とな」


 リッキーはむせかえって咳き込みながら胸を叩いた。


「ああ、すまん。ひょっと、思いついてな。深い意味はない」