~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



 二人は堅く手を結んだ。

 うつむき、向かい合い、贖罪のための涙を流す。まだ愛したりない、二人は思っていた。堅くい抱き合い、後悔と愛情の消せない悲しみに耐えた。

 許し合うことは難しくなかった。

 あえかな吐息に二人ともが決意を瞳に込めた。


「ゆくぞ、リック」


「ええ王子」


「赦されるならば、現世に戻って来たときに、君をアレキサンドラと呼んでも……」


「呼んでください。何度でも」


「約束だな」


「ああ王子。約束です」


 二人はともに飛び込んだ。

 地下に冥府の門を抱くという遺跡を求めて。それは、宰相マグヌスの、王達が封印されていた大きな泉だった。