二人は堅く手を結んだ。
うつむき、向かい合い、贖罪のための涙を流す。まだ愛したりない、二人は思っていた。堅くい抱き合い、後悔と愛情の消せない悲しみに耐えた。
許し合うことは難しくなかった。
あえかな吐息に二人ともが決意を瞳に込めた。
「ゆくぞ、リック」
「ええ王子」
「赦されるならば、現世に戻って来たときに、君をアレキサンドラと呼んでも……」
「呼んでください。何度でも」
「約束だな」
「ああ王子。約束です」
二人はともに飛び込んだ。
地下に冥府の門を抱くという遺跡を求めて。それは、宰相マグヌスの、王達が封印されていた大きな泉だった。



