~天に背いて~<~天に送る風~第二部>

 そこにはあらかじめ先にマグヌスが来ていた。

 すぐそばにリリアも。

 二つの輝きが彼らの姿が普通の者ではないと表している。

 そう、二人は魂としての姿でそこに存在し、参じていた。


「行きますぞ、王子」


「おう」


 手に汗握る瞬間に、王子は呼吸を荒くした。

 どんな覚悟が必要だったろう、冥府へはなにも持ってはゆけないのだ。未知の世界で何を頼ればいいのかわからない。

 無駄だというのに、リッキーと王子はどでかい袋に荷物を詰める。身体に巻き付けるタイプの非常用バッグだ。