一生を王子の『華』であるということは、操を捧げるという意味で、ゆくゆくは妻に……彼女を正妻に。
と、すでに王子の心は決まっているというのに、アレキサンドラと来たら、部屋には引きこもるわ手紙は拒否するわで、ぜんぜん覚悟というものが定まっていない。
だが、無理もない、とも王子は思うのだ。彼女はまだ十七歳になったばかりなのだ。
王妃という役職自体、なにを意味するのかわかっていない可能性がある。
今度自分の性格矯正に役立った、偉い家庭教師に会わせて、なにもかもぶちまけてしまいたい、と思う。
その偉いやつというのは、王子が曲がった自分を立て直すことに力を注ぎ、協力してくれた真の恩師である。



