「王子、泉から剣を抜いたときから刀身は紫でなくエメラルドの色に変色しておりました。マグヌム殿がたおされたとき」 「ああ、だが今となっては些末なことだ」 「しっかりしてください。同じ剣なのでしょうか、それら二振りの剣によって運命は二度変えられた」 「リリアは何にも言っていなかったのか」 「ボ、クは」 息をついで、何度も言葉にしようとしたが、できない。アレキサンドラの傷心は皆の知るところであり、リリアのことも一応王子の耳にも届いていた。 「わかった、無理はしなくても、もういい」