~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



「なにか手がかりでもございましたので?」


「不思議だった。なぜあのタイミングであの剣が私の前に現れたのか」


「王子もっ?」


「君もか!」


「もちろんです!」


 二人は書類はそのままにし、図書館を飛び出していった。



 紫の長剣は二重のまじないが施されていた。二頭の竜の血を浴びて、そのようすはより顕著にあらわれていた。