「ああ、一介の詩人風情に身を変えたいくらいな……それもここ最近はさっぱりなのだ」 わけがわからん、拍子抜けだ、と一人前の顔をして、王子がこぼす。 「それでは家出王子の汚名返上ですね」 「そうありたいものだ」 王子はものものしく頷いた。