王子はそういったはずだ。

 王子が尽きだした紙には誓約書とあった。

 断じて結婚を誓う書面ではなかったはずだ。

 彼女は真っ向から全力で受けあった。


『一生王子の花乙女として傍らにおります』


 と……

 王子は王にそれを突きつけて、正式にリッキーを自分のものにしてしまった。

 リッキーがそれに気づいたときには、花嫁衣装がすでに用意されてしまっていた。かつては王妃も身につけたものだという。