~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



 修羅の道を行くか、花園にとどまるのか、すべては君しだいだ。と……

 リッキーの方はというと、言われてみれば一年後の勤めが終わってからの寄る辺がない。彼女は王子について行くことにした。


「王国唯一の王位継承者が出奔か……面白い。あなたとなら、どんなにか珍しいものが見られるでしょうか」


 ところで王子、とリッキー。


「この荷物は全部わたくしが持つのですか」


 王子は今はあえて彼女をリックと呼ぶ。なんだか二人だけの特別な気がするからと。


「一度、草原の丘あたりをなにも持たずに転がりまくってみたかった!」


「わたくしと再び見る景色はどうなったのですかー!」