修羅の道を行くか、花園にとどまるのか、すべては君しだいだ。と……
リッキーの方はというと、言われてみれば一年後の勤めが終わってからの寄る辺がない。彼女は王子について行くことにした。
「王国唯一の王位継承者が出奔か……面白い。あなたとなら、どんなにか珍しいものが見られるでしょうか」
ところで王子、とリッキー。
「この荷物は全部わたくしが持つのですか」
王子は今はあえて彼女をリックと呼ぶ。なんだか二人だけの特別な気がするからと。
「一度、草原の丘あたりをなにも持たずに転がりまくってみたかった!」
「わたくしと再び見る景色はどうなったのですかー!」



