~天に背いて~<~天に送る風~第二部>




 ガッキ!



 アレキサンドラは、クリスチーネが手渡した大剣で、上半身が雄牛のような二足歩行の獣に殴りかかった。

 さすが、クリスチーネの魔力でパワーアップしている。

 大剣は化け物の額を割った。

 一時距離を置いてこちらを観察しようと、化け物は真白な大木にのぼって王子を吊した。

彼はもう、死にかけているのではないかと思われた。


「……」


「化け物が何か言ってる、わかる?」


 クリスチーネは大きく頷いた。


『前の俺なら駄目だったかも知れないが、次はだれだと言っている。こいつは俺たち全員の体液を吸うつもりだ』


「どうしてボクには何にもできないんだ!」