~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


 マグヌスとマグヌムのせいなのか?

 王はたいそう、気に病んだ。

 城下では寂しげな空気が雑多な物音に混じっては消えてゆく。

 だが、心配はいらなかった。

 部屋にハートのエースとジャックのカードを赤い糸で結びつける可愛らしいおまじないを置いて、二人は手を携えて、再び泉をおとなっていたのだ。

 王子は口説いた。


「同じ呪われた者同士ならば、二人ではどうだ? 君は父王の『華』だから、宮中に閉じこもっていても、まるっきり問題はない」


 だが、私は見たい。と、王子は言った。


「君と二人で見る景色を、再び」