『真実への鏡よ、出でませこれへ!』
でやっ! と姿に似合わぬかけ声で魔力を発揮する。
そうすればそうするほどクリスチーネは色っぽくなってゆくのだが、本人は気づいてない。
はあ、はあ、と吐息をついて、どうやらこれは消耗してきているようだ。
朱かった顔が青ざめるどころか真っ白だ。
『無理をなさるな、黄泉の姫君よ』
リッキーは言うのだが。
クリスチーネはやれやれ、ひとやすみ、と言って石畳の床に横たわって動かなくなった。
リッキーは彼女を心配したが気にするな、自分で選んだのだからと、いっかな聞くことがない。その分、口が回るようで、まるで沈黙を嫌うかのように次々と文句を垂れた。



