~天に背いて~<~天に送る風~第二部>



『馬よりよく働いた。褒めてつかわす』


『ちくしょー。これで借りを返して、とっとと退散しようと思っていたのにイ』


『借り? あれ、こちらに貸しなんかあったか』


『当の本人、忘れてるしイ』


 あっははは、とリッキーに笑われて、意気消沈のクリスチーネ。はあーっとため息をつく。


『しっかたねえ、恩義に感じるわけでもねえが、割りくっちゃたまらねえ、一つひとつこなしてゆくかァ』


 よし! と気合いを入れると異常に色っぽい。


 クリスチーネがポイイーン! と胸を弾ませてガッツポーズの後、両手を前へ突き出した。