~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


 どっしりとした大剣をそのまま返すリッキー。すごい腕力だ。


『アホは余計だ。リリアン、しかしあの大剣は武器としてどうなんだ』


 なでなで、とやられてクリスチーネが暴れ出す。


『どうなんだ』


 と、さらにいなすと、王子がクリスチーネの小さいながら顔の比率としては大きな瞳をのぞき込んだ。


『そりゃ、軽量化すればどこへでも持ち歩けるけれど。あーっ! せっかくバージョンアップしたのに! 戒めから逃れるチャンスだったのにイ!』


『そうだったのか? 今までで一番活躍してたから、褒めようと』


『だから、俺は馬じゃねえ! つーてんのがわからんのかよ!』