君を抱きしめるから~光、たずさえて~





 ボクはまだ確かめてない。


 現在のボクにも、過去のボクにも、のりおの本心を……知るチャンスがなかったんだ。


 だから、あいつの周りには自分の都合ばっかりに振り回され、奴を振り回す人間しか集まらなかった。


 存在しなかったんだ。


 彼を受け止める基盤が。どこにも!


 ボクには無気力にうずくまるのりおの前身が見えた!


 声が聞こえる。