「言わないで。わかっているから。今は好きなことをしていたいの。いずれ家に縛られるなら、なおさら……」 ボクはクスリ、と笑った。 「なっちゃん、そんなに悲壮な決心なんていらないよ。今は座っていたって世界中とつながれるんだから」 「ネットでどうこう、というんじゃ駄目なのよ。直でないと」 「じゃあ、旅行家になったらいい。いろいろ遊べるよ」 「秘密よ。もう、調べてあるの。夏休みと秋休みを連チャンで寝台列車で……」 「なんで外国行くのに寝台列車なの?」 「飛行機が怖いから」