君を抱きしめるから~光、たずさえて~







「下を向かないのよ。お首をとんとんしちゃ、だめよ。そうすれば止まるっていうの、うそだから。あなたもちょっと寝てゆけば?」


 だれと? という間違った疑問符が浮かんできてしまう。


 思春期は多感だな。


 それにしても、学校生活、ずっとこんなだと大変だ。


 血が足りないボクにはちょっと……刺激的すぎる。


 ところで保健室にはベッドが二つしかない。


 のりおと、もう一つの方は誰か寝ているらしい。


 よくこんな騒がしい中、眠っていられるな。


 ボクは騒ぎの中心人物でありながら傍観者でもあるので、のんびり、腰をすえての構えだ。


 かちゃかちゃと携帯をいじる音がした。