君を抱きしめるから~光、たずさえて~



 



「あめえな。俺の妄想はその上を行く。見せてやろうか、と言うほどのな……」



「のりお……おまえ、どこまでなっちゃんを脱がせたァ!」



 ちちち、と指で空間を仕切り直す。のりお、おまえ……



「脱がせるのは趣味じゃない。服は着たまま。脱いでもソックスははいたままだ!」



 シーン、とした保健室にじつに不快な空気が溜まっていた。



「かっちゃん、鼻血、はなぢ」



 なっちゃんがハンカチを出してくれる。


 きっちりと四角四面にたたまれた、だからこそ気品の感じられるなっちゃんのハンカチに、鼻血を拭かせるなんてできない!



「洗面所に行ってぎでいい? あだま冷やしてぐるがら……」



「ああら、彼と二人きりで待ってろっていうのね」