のりおは言った。少し、沈んだまま。



「ありがとうお兄ちゃん。ぼく、もう帰るよ」



 頭からゴジラになりきっていたのりおはもういない。


 青白い顔をしているな、最初の印象はそんなものだった。


 今となってはどちらが初めましてだったのか、わからないけれど、少なくとも中一ののりおとは違っていた。



「虚弱って、本当だったのか……」



 のりおは生気というものを感じさせない、静謐な容貌で、やっぱり美少年って感じだったけど、それがかえって不幸じみて見えた。


「大丈夫。大きくなったら毎日が楽しく笑っているから。君の仲間もきっとできる。みんな笑っててくれる。夢はお笑い芸人でー……」