「ああ、俺三体持ってる。全部、プレゼントされたの」 



 すごい、とつぶやいて、その横顔をよく視た。


 ごつくはないけど彫りの深い目鼻立ちに幼さが残って、体躯とは信じられないほど驚異のアンバランスさ。


 おまけに肌はツルぴかの紅顔の美少年だ。



「先輩もいっぱい牛乳飲んだんですか?」



「え……あ、うん、まあ」



 歯切れ悪く言って遠くを視ている……このひとはこのひとで他人に言えない努力とか苦労があったのだろう。


 本当に努力している人ほど、苦労した! とは言わないもんな。


 きっと必死でがんばったんだ。


 でも、それをボクの口から尋ねるのは僭越だ。苦労話をしたがるひとにはとても見えない。