かっちゃーん、かっちゃーん…… なっちゃんの声が聞こえた。 「なっちゃん!」 それはもう、泣き出す寸前だったと言えるだろう。 当たり前だ。家の『結界』内のこととは言え、いきなり異次元の世界に来たんだ。 ああ、よかった。 と二人は指をつなぐ。とりあえず、我が家系の『力』は内緒だ。 「知ってる人にあえてよかった」 「それよりどうしてこんなところにきちゃったの? あたしのティーレックスは?」 「ごめん……なっちゃんのティーレックス、触っていたらつい、だっこしたくなっちゃって……」