君を抱きしめるから~光、たずさえて~






『自分で』自分に……


 そうだ、ボクは勝手に自家撞着して、いつも見守ってくれたこのひとを苦しめた。


 恨むなんて筋違いだったのだ。


 今日のこの日、きっと心配してくれたのだろう。


 おじさん達はただの酔っぱらいとしても。



 そのまま何にも言えなくて、ボクはえいちゃんの大きな背中にすがりついた。



「ごめんよ、えいちゃん。これっきりにするから。もう一度だけ、いいお兄ちゃんでいて」



「きょうからのりは兄弟分なんだろ。どうする……」



「みんなが酔っぱらってる隙に、さささっと話してくる」



「えらい!」



「えらい? でも一族の掟は……」



「兄弟なら問題はないだろう」