君を抱きしめるから~光、たずさえて~







「助けてよ……ボクの身はどうなってもいいから、のりおは生かしてくれよ! こいつの人生面白いのは、これからなんだよ!」



「かっちゃん……あたしだよ」



 ぱん! と猫だましにあって、ボクは目を覚ます。


 ぎょ、とした。


 青ざめた、なっちゃんの顔!



「なっちゃん!」



 どうして、と尋ねている暇はなかった。部屋の左右と正面にあるふすまが、



 すぱぱあん! 



 と音を立てて全開になった。暗い面をつけた不気味な集団が左右から侵入し、ボク達を囲んでいる。


 こくり、自然にのどが鳴った。