必死のなっちゃんに、 「知らないよ。かっちゃんが持って行ったんじゃないかな」 というと、姉のさなみのやつが、こう。 「あんた、それ証明できんの? 相手が子供だからって、いい加減なこというんじゃないわよ?」 「いいかげんじゃない。なっちゃんがリビングにいた間、人形はかっちゃんが持ってたんだ。俺はちゃんと観てました」 姉貴は俺の主張が気にくわない。 いつもだ。 「ぼさぼさ頭。だらしのない伸びたティーシャツ。どうせ寝っ転がって見てたんでしょう」 「あたりでございますよ、お姉様」