「親なんか生きてるだけで癌みたいなもんだ」
「俺の親は癌なんかじゃない」
強い調子で言うので、ぎょっとして立ち止まる。
のりおは泣いてる。
こっちを見てる。
「悪かったよ、なあ、泣くなって。本音じゃないよ。ほんの軽口叩いただけじゃないか。こんなところで、変だぞ。よせよ」
と言いながら、ああ、と思う。
のりおは優しい奴だ。
仮の話でも肉親のこと、悪く言われたら、こうなるんだ。
やっぱ、苦労してきただけあるんだな。
親のありがたみを……ボクも彼の涙を通して思い知る。
ボクは彼の背中を抱いた。
のりおは呟いた。
「俺の親はおまえだったじゃないか……!」
ハアッ? と、ボクは目が点。
まあ……夢のこともあるし、混乱してるんだろうけれど。



