『ふー…』
 
 何か緊張すんな…

 緋維の家の前で深呼吸をした
 
 これまでも何度か女の家には行ってたけどこんなに緊張したことはねーな…

 つーか遊びだし…て言うか昔だけど
 何て思う自分が情けなくなる…

 ちょっと前までは俺は確かに女遊びが激しかった
 だけど今は違う…

 『はあ…本気で緋維にベタぼれだな…』

 そう呟きフッと笑った

 ピンポーン…

 インターホンを鳴らすとバタバタと足音と共にがちゃりと扉が開いた

 「紫琉君!いらっしゃい」
 
 またしても満面の笑みで言う緋維に愛しさを感じていた

 「今ねちょうど夕飯の用意ができたとこなんだ!上がって」

 そう言って緋維は俺が持っていた荷物を持った

 「これ部屋に置いてくるね」

 そう言うと緋維は駆けていった

 「あ!お兄ちゃん!!!」

 今度は悟が駆けてきた

 「あのねお姉ちゃんのお料理すっごく美味しいんだよ!」

 興奮ぎみに言う悟を抱き抱えた

 なんか…家族みたいだな…

 胸の奥に暖かいものを感じながら俺は上がった