「う…ん…」

 少したつと男の子が目を覚ました

 『気がついた?』

 「ここどこ…?」

 『近くの公園だよ』

 「お父さんとお母さんは…?」

 そう言って真っ直ぐ見つめる瞳に私は目を反らした

 「お父さんとお母さん…捕まっちゃったの?」

 「ごめんな…助けられなくて…」

 紫琉君は私の代わりに男の子に伝え頭を撫でた

 「僕…助けられなかった…っ…」

 そう言って泣き出す男の子

 私は男の子の目線に合わせ今度は目をそらさず言った

 『私が必ず助けるから…だから泣かないで?』

 「お姉ちゃんが…?」

 『うん!お姉ちゃんこう見えてすっごく強いんだから!』

 「ほんと…?」

 『本当!だから君も約束して?もう泣かないって』

 男の子は一瞬俯いたけどすぐに顔を上げてうん!と笑顔を向けてくれた

 「しゃーねえな…俺も手伝ってやる」

 横にいた紫琉君が両手を頭にのせながら言った

 『紫琉君…』

 「緋維にだけ任せてられねーだろ?」

 「ありがとー!お姉ちゃんお兄ちゃん!」

 満面の笑みでお礼を言う男の子にキュンときて抱き締めてしまった

 「お姉ちゃんいい匂いがするね」

 『そう?』

 「…」