side琉紫


教室に戻る途中緋色は繋がれた手をチラチラ見ながら顔を赤くしていた

何なんだ…この可愛い生き物は…

手を繋いでいるだけなのに幸せだと思ってしまう
『琉紫…君…』

「ん?」

『あの…手…離して…?』

「何で?」

『男の人と…繋いだことないから…恥ずかしくてっ////』

顔を真っ赤にしながら話す緋色を見て抱き締めたい衝動にかられた

いや…流石にまずいよな…

「しょうがねぇなぁ」

『ごめんね?今度はちゃんと慣れるように頑張るから』

慣れる…こいつが他の奴と手を繋ぐってことか…?
そう考えると無償に腹がたった

「あ〜!戻ってきた!!!」
『怜ちゃん!!!』

俺達に気付いた怜が緋色に近づいて抱きついていた
何かムカつく…

この気持ちが何なのかは直ぐに分かった

緋色が首をかしげると周りの奴等が顔を真っ赤にしていた

とっさに緋色を抱きしめていた

周りの奴等が騒ぐなか俺は緋色の温もりと心臓の音を感じていた

俺はこいつが好きなんだな…
そう実感したと同時に決めた…

誰にも渡さない

「こいつは…俺のだから」

そう言って俺は真っ赤になっている緋色を連れて屋上に向かった